「何で!薬が一緒なの!?」 漢方薬の話

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今日は西洋医学と東洋医学の違いを少し考えます。

相談の患者さんが、お二人でお見えになられた時によく起こる光景・・・
それぞれの方がそれぞれの体調の不良を訴えられます。
それぞれの方の病院での診断名も異なります。

しかし、お二人の御話を充分に聞き「証」を究め、選薬した御薬が同じ物・・・
「えっ?」一瞬不安な表情が患者さんの御顔によぎります。

東洋医学にはこのような考えがあります。

■異病同治■
西洋医学的な物差しで診断した病名が、それぞれ異なっても、同じ漢方薬が有効と
考える場合です。
たとえば、生理痛の人と自律神経失調症の人が、同一の漢方薬で治療されたり、便秘
と高血圧の方が同じ御薬であったり・・・
病状が異なっていても○○○湯の「証」を呈していると言う考えです。
病を「病変部」では無く、体全体の「調和」として捉えるので、このような「異病同治」
と言う思想が存在するのでしょう。
   
反対に同じ診断名なのに御薬が違うことがある。

■同病異治■
西洋医学的な物差しでは、診断病名が同じであるにかかわらず、漢方の物差しで
その病態が異なる場合、別な御薬が選薬される事を同病異治といいます。
東洋医学は人の「証」を実証・中間証・虚証に分け、さらに病気の進行具合や、
季節の変化なども考慮し、陰陽・表裏・寒熱・乾湿・・・等と細かく分類する為
たとえ同じ病名でも御薬が変わります。

大型店ではセルフメディケーション化が進み、各メーカーの漢方処方の製品が病名
毎に並んでいる光景を目にしますが、サプリやハーブティー感覚で御自身の判断で
チョイスするのは、以上の事を考えると如何なものでしょうか・・・

このような、御話をひと通りさせていただくと「うん、うん」と皆さん、安心さ
れます。

けっして、私の手抜きでは、ありませんから。(笑)



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     http://www.seikaido.com

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