弁証論治って何?
日々の仕事の中でよくある話なのですが
はじめて漢方相談にお見えになった患者
さんや
電話等でお問い合わせいただく御客様から
「先生!○○さんの紹介なんですが・・・
○○さんと同じ薬をいただけますか?」
「あの~~□□病には◎◎湯が良いと効い
たので・・・◎◎湯は置いてますか?」
中には
「実は知人から少し分けてもらった漢方薬
を飲んでみたら調子がいいので、◎◎湯と
△△散をもらえますか。」
等と御薬を指定される方がいらっしゃいます。
本来、販売だけを考えた場合は正直とても楽
です。(笑)
しかし、漢方は他人が効いたから自分にも効
くと言うものではありません。
これは以前、「異病同治」「同病異治」の記
事で詳しく書いたと思います。
初めての方、忘れた方はこちらへ
https://seikaido.seesaa.net/article/200506article_28.html
本来、万人にこれが効くというものはないの
です。
漢方治療の効果を最大に引き出すためには、
やはり患者さん御本人の証を見究める事か
ら始めるのが不可欠。
そして「証」を単に見究めるだけではなく、
さらに厄介なのは「病」と「証」は治療の
段階と過程で変化して行くという事です。
1度判断した「証」は不変ではなく「病」
と「証」の変化に合わせ服用する方剤も
変えていく、このような治療の事を
「弁証論治 べんしょうろんち」と言います。
ただし、一定の効果を得て「病」が安定期
に入った場合や「未病」対策としては同じ
方剤を長く服用することもあり、この限り
ではありません。
以前の記事でも書いたように「風邪」でさえ
も急性期、亜急性期、回復期と病の段階に合
わせ自身に最も適した御薬が選ばれる・・・
洋服で言うならば既製服に体を無理に合わせる
のではなく、自身の体にぴったり合うオーダー
メイド(笑)
これが漢方の最大の強みでもあり、魅力です。
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