六気の話 “気候と病の関係”

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どんよりとした曇り空の大阪は今にも雨が降り出しそうです。

今週末も雨の予報が出ていますが今年の五月は本当に雨が多いですね。

すでに五月の平均降水量の3倍を記録した地方もあるようですが、そんな
鬱とおしい曇天にもかかわらず聖快堂には朝早くから訪問者が来ています。

店の奥の坪庭、新緑もまぶしい葉の上に小さなてんとう虫を見つけちょっと
嬉しくなりました。

雨宿りの場所を探しているのかも知れませんね。


季節はまもなく梅雨へ・・・

そして暑い夏がやってきます。


今日はそんな季節の変り目を前に季節と病、気候と病について少々考えて
見たいと思います。


漢方では人が病になる原因を“外因”“内因”“不内外因”があると考えます。


“内因”は以前書いた“五臓六腑”や“七情””五悪”等の記事を御参照ください。
http://seikaido.at.webry.info/theme/6285152e0e.html



“不内外因”は簡単に言うと偏食、運動不足、不規則な生活習慣が引起すもの
で“外因”“内因”に分類されないものです。


そして今日の本題“外因”に話を進めます。


東洋思想は自然界における気候の変化を「風・寒・暑・湿・燥・火」の“六気”
と考え“六気”には万物を育む力があると考えられてきました。


季節の変わり目や天候不順等により“六気”に過不足が生じ自然界のバランスが
崩れると“六気”は“邪気”を得て“六邪”となり、人の体に侵入し病が生じる
と考えられてきたのです。


人も自然の一部として捉え同じ患者さんであっても季節の変化に合わせ方剤を変
える漢方独特の考えはここから来ています。


漫然と長期間同じ方剤を服用するのではなく季節と一人一人の証の変化に合わせ
体内に生じた過不足を解消しバランスを整える。
西洋医学には真似のできない漢方の特徴でもあり、得意分野でもありますね。


すでに梅雨の走りを感じさせるような日本列島。


これからの季節「梅雨」は水の性質を持ち粘った“湿邪”に注意。

足のむくみ、関節痛、大小便のトラブル、胸のつかえ、倦怠感等は“湿邪”が原因
です。

そして今年の夏は猛暑になるとの長期予報が報じられていましたが、猛暑は“暑”
が過剰となり“火”に転じる事も。

“暑邪”や“火邪”によって口渇、息切れ、発熱、そして大量の汗が体内を巡る
「津液=血以外の体液で全身の内外をうるおす働きを持つ」を枯渇させ慢性疲労の
ような心身の疲れをもたらします。


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これからの時期、まずは“湿”そして“暑”夏は“火”に充分に注意が必要です。


自然界の変化と共に忍び寄る“六邪”に負けない「ホメオスタシス=生体恒常性」
を持つには規則正しい生活と養生で自然界の変化に体を無理なく適応させる事が
何より大切ではないでしょうか。





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 http://www.seikaido.com
 http://www.seikaido.com/9_QA/seikaido_QA_1.html

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