筑前煮と立冬の末候
今にも雨が降り出しそうな今朝の大阪です
今日18日は
二十四節気「立冬」の末侯
本朝七十二候では「立冬」の末侯を
” 金盞香(きんせんかさく) ”
冬の気配がさらに強くなり金盞(水仙)の花が咲く時節と詠み
中国の「立冬」の末侯では
” 野雉(やけい)水に入り蜃(おおはまぐり)となる ”
野の雉が海に入って大きな蛤になる時節であると詠まれます。
※冬至に向かい「陽」の気が衰える姿を「陽=天=雉」とし、ますます「陰」
の気盛んになる姿を「陰=地=蛤」に例えているとか。
さて、雉も蛤となる時候、生野菜のサラダも美味しいけれど・・・
晩酌で熱燗の肴にするなら根菜類等、季節野菜をたくさん使った「筑前煮」
■ 南瓜
南瓜は五臓六腑の働きが衰えた「気虚」に良い「補気」の食材
五性 「温」
五味 「甘」
帰経 「脾」「胃」
薬効は
胃や脾の働きを助け、元気を育てる 「健脾益気」
炎症や痛みを治す 「消炎止痛」等
■ 里芋
里芋は体内の「痰」を溶かし水分代謝を整える「化痰」の食材
五性 「平」
五味 「甘」「辛」
帰経 「脾」「胃」「腸」「肝」
薬効は
水分代謝障害によって体内に生まれた痰を去る「化痰軟堅」
胃腸を丈夫にし助ける「益脾胃」、「調中気」
消化不良や便秘等に良い「益胃寛腸通便」等
■ 蓮根
蓮根は老化や体力の低下から起こる臓腑のゆるみを引締める「収渋」の
食材
五性 「平」
五味 「渋」「甘」
帰経 「心」「肝」「脾」「胃」
薬効は
胃腸の働きを助け丈夫にする「健脾養胃」
五臓の働きを整える「安五臓」
血を養う「養血」
血中の余分な熱を除き血行を良くする「涼血散瘀」
下痢を止める「止痢」等
■ 牛蒡
牛蒡は体の発汗を促し体表に停滞した邪気を取り除く「解表」の食材
五性 「寒」
五味 「苦」「辛」
帰経 「肺」「胃」
薬効は
風熱表証の発熱に良い「疏散風熱」
麻疹、風疹、吹出物に良い「透麻解毒」
喉の腫れ痛み良い「利咽消腫」等
■ 人参
人参は血を養い「血虚」の改善によい「養血」の食材
五性 「平~微温」
五味 「甘」
帰経 「肺」「脾」「胃」「肝」
薬効は血虚による目のかすみ、乾燥、視力低下によい「養血益肝明目」
咳、痰によい「斂肺止咳」
脾虚による食欲不振、下痢、便秘に良い「健脾化滞」等
■ 蒟蒻
蒟蒻芋は肺熱、胃熱、心火、肝火等、体内に生じた異常な熱を取除く「清熱」
類の食材
五性 「寒」
五味 「甘」「辛」
帰経 「脾」「肺」「胃」「大腸」
薬効は
消渇、便秘によい「清熱通便」
皮膚腫毒、瘡瘍によい「消腫解毒散結」等
う~む、温性・平性・寒性と様々な性質の野菜が上手く組み合わされバランス
が取れた一品ですね~
生野菜のサラダの方が見た目はヘルシーで野菜を摂ったぞ!と感じるかも知
れませんが雉さえも蛤になってしまうこれからの時候には「筑前煮」の方が体
に優しく自然の理に適ってると思います。
夏も冬も季節に関係なく、年中冷たい物を飲み、お腹が冷えて末梢血流が悪く
なってしまい冷えが厳しいと言うアナタ!!
近年はこういうタイプの女性の冷え症がホント多いですね~
冷え症のタイプ 過去記事へ
https://seikaido.seesaa.net/article/200911article_5.html
https://seikaido.seesaa.net/article/201010article_14.html
そんなアナタには体質に合う漢方の服薬もおすすめですが・・・
体質の改善には服薬と同時に食生活の改善もセットで!!
ボージョレーヌーボーと洋食も悪くは無いけど
とりあえず今週末は
先人達の知恵が詰まった日本の伝統食
季節の野菜をたくさん取り入れた「筑前煮」がよろしいようです。
■漢方婦人科 過去記事へ
http://seikaido.at.webry.info/theme/9dc43fe750.html
■食養生・薬膳の過去記事へ
http://seikaido.at.webry.info/theme/e52113f08b.html
■聖快堂のホームページ
http://www.seikaido.com
漢方、生薬由来の第3類医薬品及び漢方食品の通信販売に関する御問
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